2019年9月27日金曜日

本日から,劇団民藝「野の花ものがたり」例会。ギリギリになりましたが予習用の情報です

金沢市民劇場2019年9月例会 劇団民藝「野の花ものがたり」が本日から始まります。その予習を兼ねて,「チラシ」や「このゆびとまれ」等から抜き出してみました。

■作品について
  • 鳥取市に実在する小さなホスピス「野の花診療所」と,終末医療の現場から発信する心温まるエッセーやリポート,講演などで多くのファンを持つ徳永進院長をモデルとしたお話。
  • 作者と演出は,金沢市民劇場で数年前に観た「萩咲く頃に」のふたくちつよしと中島裕一郎。徳永さんの『野の花通信』という本に基づいているようです。
  • 診療所を訪れる,さまざまな病気とそれぞれの思いを抱いた入所者たちをユーモアとペーソスを交えて描いた作品
  • 徳永さん(作品中の役名は「徳丸進」)がこのホスピスを作ったのは,次のような思いによります。「内科の勤務医時代,たくさんの患者の死に立ち会ったが,ほんとうに十分な対応や支えができたのかどうか。助けて欲しいと訴える人々を誰でも受け入れ,患者の望むことは何でもしてあげる。そんな場所にしたいと願った」
  • 人の死は終着駅なのか。死は悪者なのか,あってはいけないものか...そういったことも考えさせてくれる作品。
■公演チラシに書かれた徳永進さんの言葉から
  • 医療の場(臨床)では死は日常的な現象。戦時下でない平和時の死とは言え,死のまわりには両者を隔てない悲しみがある。
  • 医者になったころからか,死を前にして身も心も凍てつき,所作も言葉も失う日本人の姿を見てきた。もう少し自由でやわらなか空気を病室に届けることはできないか,と思ってきた。
  • 死については様々な先人たちが表現してきた。詩人,音楽家,写真家,哲学者,,,。演劇も古くから死を大切な課題にしている。独特な表現方法が,死の本質を違う角度から差し出してきたのだと思う。死への案内は,同時に生きることへの案内。臨床は他から学ばねばならない。
  • この劇が,日本人の死への思いに小さな変化を生じる一作になればと思う。

■新聞の記事から(2017年1月26日 毎日新聞)
  • 演出のふたくちつよしは「先生が,生きていることの中に死は含まれているととらえているのが見えてきた。ヒーローもヒロインでもない市井の人がどう死を受け止めていくかを,ドラマチックにではなく描きたいと思った」と話す。
  • 戯曲にするに当たってヒントにした徳永医師のエピソードをコラージュし,想像を膨らませた。夫婦や親子,兄妹といった関係の中で死を迎える姿が丹念な筆致で描かれる。
  • 「もともと家族を書いてきたので,社会も家族の目を通して見ていこうという描き方が好き。生きることと死ぬことに葛藤する人間の姿を芝居にしている。日常のなんでもないことをきちんと伝えた時に,いいドラマが生まれるような気がします」